5月の園長だより 「本当の自立とは?」
本当の自立とは?
先日、ボストン教育視察研修でお世話になった文化人類学者の清水秀規先生をお招きし、職員研修を開催いたしました。日本の教育や文化には、グローバル化の中でも誇れる素晴らしい宝物がたくさんあることを教えていただきました。その中のひとつに日本には昔から「甘え」という大切な心の働きがあります。それは、ただ依存することではなく、「この人なら受け止めてくれる」と信じて、安心して身をゆだねることです。でも西洋化の影響で、もしかすると、大人である私たち自身が「人に頼らず頑張ることが大切」「甘えるのはよくないこと」と、どこかで身につけてきたのかもしれません。しっかり甘えきる経験があるからこそ、自立ができます。十分に受け止めてもらった安心感は、やがて「やってみよう」という意欲や、自信へとつながっていきます。本当の自立は何でもひとりでできることではなく、人とつながりながら生きていけることです。この自立の考え方がとても重要になってくると思います。私たち大人も「頑張らなきゃ」と、つい自分を追い込んでしまいがちです。人に迷惑をかけてはいけないと頑張ってきた私たち大人にとって、甘えることは勇気がいることかもしれません。でも、弱音を吐いても大丈夫。大人が安心していることが子どもの安心につながります。保護者の皆さまが一人で抱え込まず、園は、そっと寄りかかれるような、温かな場所でありたいと思っています。
園長 川本浩子